痔には痔核(じかく:いぼ痔)、裂肛(れっこう:切れ痔)、痔瘻(じろう:あな痔)の3種類があります。それぞれ発生原因は異なるため、治療法も異なります。したがって正確な診断が大切です。
また、便に血液が混じっていた時、自分では痔と思っていても、実際は、ポリープや癌、腸の炎症などからの出血の場合もあります。まずは検査を受けて、原因と症状に合わせて正しい治療をおこなっていきましょう。
※以下のような方は、痔になりやすいと言われています。
肛門の重要な機能は便が漏れないようにコントロールすることです。肛門の開閉は括約筋という、肛門にリング状に巻きついている筋肉で行われています。便が漏れないように閉鎖するためには筋肉だけだと、僅かな隙間ができてしまい、液体やガスが漏れてしまいます。 この隙間を埋めるように肛門の内腔面には粘膜と皮膚でできた柔らかい組織が存在し、これが言わばパッキンの役目を果たし、肛門がピッタリと閉じるために役立っています。 便の漏れを防ぐこの柔らかい組織は、肛門クッションと呼ばれています。 いぼ痔になる方は、肛門括約筋の緊張が強い方が多いと言われています。緊張が強いと排便時に十分に肛門が開かず、強い腹圧で無理やり押し出すような排便のしかたになってしまいます。すると、肛門クッションに強い力がかかり、排便時に引き伸ばされてイボとなってしまうのです。これがイボ痔で、排便時に「イボが飛び出る」「出血する」「肛門が痛い」と言った症状が出ます。
肛門の開閉をコントロールしている筋肉(括約筋)の緊張が強い方は、常に肛門が狭い状態になっています。排便時に強くいきんで無理やり便が通過すると、急に肛門が広がって粘膜が裂け、切り傷ができてしまいます。これが切れ痔です。症状としては、排便時の痛みと出血です。
切れ痔になる人は、肛門の筋肉の締め付けがかなり強い傾向にあります。まず軟膏や座薬などの外用薬で、肛門にできた傷を治していきます。また軟膏を自身で患部に塗る際に、肛門の緊張を和らげ、強く締めすぎないように意識し、肛門を広げる訓練を行います。肛門の筋肉のうち「内肛門括約筋」という筋肉は、自律神経によってコントロールされており、本来意識的に動きを調整することはできませんが、状態を自覚して意識する訓練を行うことで締め付けすぎが徐々に緩和してゆきます。このように、本来コントロールできない身体の機能を、自覚・意識することで改善していくことを「バイオフィードバック」と呼んでいます。
バイオフィードバックでは症状が改善されない場合は、日帰り手術によって肛門の筋肉繊維の一部を切断し、その力を弱める処置をおこないます。ただし、手術前に術前検査と説明のための受診、また手術後も経過をみるための通院は必要です。
肛門には、粘膜を潤すために肛門小窩という分泌腺があります。ここにばい菌が感染すると、粘膜の中で膿が溜まり、肛門の外側に破裂してしまいます。すると、肛門の内側から外側に向かってトンネルができてしまい、痛みや汚物の漏れなどの症状が出てきます。
当院では、局所麻酔と仙骨硬膜外(せんこつこうまくがい)麻酔を組み合わせることで、痔の手術を日帰りで受けていただくことができます。ただし、手術前に術前検査と説明のための受診、また手術後も経過をみるための通院は必要です。
排便時の痛みや出血、脱出などの症状が気になる方で、これまで入院ができないという理由で手術を断念していた方は、是非お気軽にご相談にいらしていただければと思います。
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