体表外科 – 鼠径ヘルニア

体表外科 - 鼠径ヘルニア

鼠径ヘルニアとは

鼠径ヘルニアとは

私たちの内臓は腹壁(ふくへき)といういくつもの筋肉でできた壁で覆われています。それらの筋肉の間には少しだけ隙間があり、加齢により筋肉が弱くなると腹圧でその隙間が広がり、そこから腸が出てきてしまうことがあります。
これが「鼠径(そけい)ヘルニア」で、「脱腸」とも呼ばれています。

主な症状

  • 下腹部が膨らんできた
  • 排便やくしゃみなど、腹圧をかけたときに下腹部の一部がでっぱる
  • 下腹部が痛い
  • 下腹部に違和感がある

※以下のような方は、鼠径ヘルニアになりやすいと言われています。

  • 男性(男性の睾丸は、胎児の時は体内にありますが、出生後に体外に移動します。この通り道が残っているため、男性の方が鼠径ヘルニアにかかりやすい傾向にあります)
  • サッカーや吹奏楽など、お腹に力を入れる活動をしている方。
  • 65歳以上の年配者(筋肉の収縮が弱くなり、腸が飛び出しやすくなります)

治療方法

従来は、脱腸が起きる筋肉の隙間(図1:ヘルニア門といいます)を縫い合わせるだけの手術が行われていましたが、再発率が高いことから、現在では合成繊維(ポリプロピレン製のメッシュ)でできたプラグやシート(図2)で塞ぐ方法が主流になっています。
ポリプロピレンは40年以上前から、医療用に使用されており、安全性が確認されています。
Point1日帰り手術です
鎮静剤と局所麻酔による日帰り手術で、手術時間は1時間程度です。術後はリカバリールームで2~3時間休んでいただいた後、帰宅できます。
ただし、手術前に術前検査と説明のための受診、また手術後も経過をみるための通院は必要です。
Point2痛みの少ない局所麻酔を実現しました
通常、この手術は全身麻酔でおこなわれることが多く、局所麻酔だけでは手術中の痛みを完全になくすことは困難でした。
当院では局所麻酔剤を患部に注入する際に超音波画像で確認しながら、正確に筋肉の隙間に注入するので局所麻酔の効果が高く、患者さんの負担を軽減することができるようになりました。
ヘルニア門
図1
シート
図2

患者さん一人ひとりの
顔が見える医療を

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